四国地方、その豊かな自然が織りなす清流は、私にとって常に特別な意味を持つ場所であると認識している。私がこの地で渓流釣りに深く魅せられたのは、単に魚を釣る行為を超え、清冽な水が育む生命の営み、そしてその中に身を置くことの深い充足感を体感したからに他ならないという現実がある。例えば、徳島県の那賀川や海部川、愛媛県の広見川、高知県の仁淀川や物部川といった、枚挙にいとまがないほどの清流は、いずれもアマゴをはじめとする多様な渓流魚たちの確かな生息地であり、釣り人にとっては心躍るフィールドといえる。これらの河川では、フライフィッシング、ルアー、あるいは伝統的な餌釣りといった多岐にわたる釣法が試され、それぞれのスタイルにおいて、自然との対話と自己の内省が深まる。時に困難を伴う釣りの過程そのものが、得難い経験として記憶に刻まれると私は悟った。本稿では、四国地方における主要な渓流釣り河川群を、私が得た知見と経験に基づき解説する。各河川の特性、対象魚、遊漁券の必要性といった実務的な情報に加え、その場で得られるであろう感動の一端をお伝えできれば幸いである。
那賀川
徳島県を流れる那賀川は、四国でも有数の豊かな自然に恵まれた河川です。特に上流域は渓流釣りのメッカとして知られ、アマゴの餌釣りやフライフィッシング、ルアー釣りを楽しむことができます。清らかな水質はアマゴの警戒心を高めますが、慎重なアプローチで釣果が期待できます。また、那賀川はアユ釣りの名所としても名高く、6月から12月まで友釣りや餌釣りで良型のアユを狙えます。十八女大橋周辺が主なアユのポイントです。下流の河口付近では、シーバスやウナギ、近年目撃例が増加しているアカメといった多様な魚種もターゲットとなり、山本鉄工前や中島港側が人気です。那賀川での釣りには遊漁券が必要となり、ルールとマナーを守って自然を満喫しましょう。
海部川
徳島県海部郡海陽町を流れる海部川は、清流として知られる四国屈指の渓流釣りスポットです。3月1日から9月20日まで解禁されるアマゴ釣りでは、本流や相川、皆ノ瀬谷川などの支流で20cm前後の良型が期待できます。上流の「轟の滝」周辺は岩の渕や淀みが点在する絶好のポイントで、ルアーやフライフィッシングで楽しめます。水質が非常に良く川底まで見える透明度の高さが特徴で、ミノーやスプーンを使った釣りが効果的です。また6月1日から10月19日はアユ釣りも解禁され、友釣りで15cmから23cm程度の天然遡上アユが狙えます。遊漁券は日券2、000円、年券8、000円で、10cm以下の採捕は禁止です。入渓は比較的容易ですが、林道での駐車には注意が必要です。
勝浦川
徳島県を流れる勝浦川は、四国地方を代表する清流の一つで、徳島市内から車で約1時間とアクセス良好な人気の釣り場です。渓流魚のアマゴ釣りは、上流域を中心に3月1日から8月31日まで楽しめ、初心者でも安全に楽しめる開けた浅瀬が特徴。支流の打樋川や八多川では尺サイズも期待できます。遊漁券は日券2、000円(年券7、000円)。また、6月1日から12月31日には、友釣りで25cmを超える良型も狙えるアユ釣りの名河川としても知られ、多くの釣り人で賑わいます。美しい自然の中で、アマゴやアユとの出会いを満喫できる魅力的なフィールドです。
広見川
愛媛県鬼北町を流れる広見川は、四万十川の支流として知られる美しい渓流です。西日本の渓流ファンにとって魅力的なフィールドで、アマゴ釣りの好ポイントとして人気を集めています。本流は川幅が広く、銀化した大型のヤマメも狙える興味深い環境。一方、上流部や支流では水深が浅く川石が多い典型的な渓流で、良型アマゴの生息地となっています。ルアー、フライ、餌釣りといった多彩なアプローチが可能で、特に川虫を使った脈釣りもおすすめです。2月1日から9月30日までの解禁期間中、日券1、000円、年券3、000円で遊漁が楽しめます。美しい自然の中で、好みに合わせた釣法で渓流釣りを満喫できるでしょう。ただし、根がかりや足場の悪さに注意し、事前の準備を怠らないことが大切です。
吉野川
吉野川は四国を代表する渓流で、上流域はアマゴやヤマメが狙える本格的な渓流釣り場。友釣りで楽しむアユは大岩橋周辺が好ポイントで、6月1日〜12月31日の解禁期に30cm近い大鮎が期待できます。下流や河口では朝夕のシーバス、ハゼ、ウナギ、ブラックバスも狙え、ウナギは夜釣りが有効で4月1日〜10月31日の期間規制や20cm未満のリリース規則に留意が必要です。景観に恵まれ季節と釣法で幅広く楽しめる川です。フライやルアー、餌釣りと多彩な釣法が可能で、上多古川や下多古川、大滝ダム下流なども実績あるポイント。遊漁券は漁協により異なるため事前確認と購入をおすすめします。
仁淀川
仁淀川は、高知県を流れる清流で、その透明度の高さから「仁淀ブルー」として知られています。四国地方で渓流釣りが楽しめる代表的な河川の一つであり、特に春のアマゴ釣りは多くの釣り人を魅了します。上八川川・小川川合流付近などでは、ルアーやフライフィッシングで良型のアマゴが期待でき、美しい自然の中で本格的な渓流釣りを堪能できます。また、夏にはアユの友釣りが盛んに行われ、解禁期間中は多くの釣り人で賑わいます。下流域や河口付近ではシーバスやアカメ、マハゼなども狙え、年間を通して多様なターゲットと出会えるのが魅力です。遊漁料が必要となるため、事前に仁淀川漁業協同組合の情報を確認し、ルールとマナーを守って高知の豊かな水辺を満喫しましょう。
北川川
高知県高岡郡津野町を流れる北川川は、豊かな自然の中で渓流釣りが楽しめる清流です。3月1日のアマゴ解禁から鮎解禁前の6月14日、または鮎釣りが落ち着く9月はアマゴ狙いのベストシーズン。特に郷内から王在家付近では、良型のアマゴが期待でき、ルアー釣りでは二桁釣果も夢ではありません。6月15日からはアユが解禁し、主に友釣りが盛んになります。川幅は狭めですが、7月中旬までは良型が期待でき、オトリ販売店も点在しているので初心者にも安心です。7月1日からはノレソレを使ったアユのエサ釣りも楽しめます。年券・日券があり、目当ての魚種に合わせて多様な釣り方が堪能できる北川川で、四国ならではの渓流釣りをお楽しみください。
鏡川
高知県高知市を流れる清流、鏡川は、都市部に位置しながらも豊かな自然と多様な魚種に恵まれた釣り場です。特に渓流釣り愛好家にとって魅力なのは、3月1日から9月末までのシーズンにアマゴ釣りが楽しめる点。中流から上流域がポイントとなり、餌釣りやルアーで狙えます(遊漁券が必要)。また、夏にはアユの友釣り、秋から冬にかけてはコノシロを追うアカメやシーバスのルアーフィッシングも盛んです。市街地からアクセスしやすい一方で、ウナギ、ハゼ、クロダイなど幅広い魚種が釣れるため、初心者からベテランまで四季を通じて様々な釣りが満喫できます。潮の干満差が影響する河口域から上流の渓流相まで、変化に富んだ環境が鏡川の大きな魅力です。
物部川
高知県を流れる物部川は、西日本有数の渓流釣りの名所として知られ、天然の良型アマゴが多数生息しています。本流から槇山川などの支流に至るまで、のべ竿での餌釣りやルアー、テンカラでアマゴを狙えます。冬季にはキャッチアンドリリースでの試験釣り場も設けられ、年間を通してアマゴ釣りを楽しめるのが魅力です。また、5月解禁の天然アユの友釣りも盛んで、下流域ではシーバスやチヌ、ウナギなど多種多様な魚が釣れるため、河口から上流まで幅広い釣り人が訪れます。遊漁料を支払い、豊かな自然の中で釣りを満喫できる四国を代表する清流です。
松田川
高知県宿毛市を流れる松田川は、清流と豊かな生態系が魅力の河川です。上流ではアマゴなどの渓流魚が狙え、まさに「四国地方の渓流釣りができる河川」のタイトルにふさわしいフィールド。アマゴは3月1日から9月30日まで、日券1、000円、年券2、000円で楽しめます。アユやコイ、ウナギも生息し、松田川漁業協同組合が管轄しています。一方で、河口域ではシーバスやチヌ、さらには幻の魚アカメも釣れる多様性も特徴です。特にシーバスは、河口、橋脚、堰の下が主要ポイント。晩秋から冬にかけての満潮からの下げ潮時が狙い目で、ミノーやドリフト系のルアーが有効です。地元での情報収集も釣果に繋がるでしょう。
安芸川
高知県安芸市を流れる安芸川はダムがなく自然な流れが残る渓流で、天然遡上と稚アユ放流によりアユ釣りの好ポイント。支流の江川や尾川も含め、友釣りや毛鉤のドブ釣りで楽しめ、アユのほかアマゴ、シーバス、アカメも狙えます。解禁は6月1日〜9月30日。遊漁券は日券3、000円、年券8、000円(現地購入は2、000円増)。釣れるアユは体高がありスイカのような香りが特徴で、漁協は資源維持のため過去に大量放流を実施。2021年の豪雨で地形や水質に変化が生じ、回復はまだ途上です。
奈半利川
奈半利川(高知県安芸郡)は四国の渓流釣りに適した名川で、特にアユ釣りが有名です。5月15日の解禁から8月下旬まで友釣りで20cm前後が主体、好条件では一日100尾超も期待できます。深い瀬や石の珪藻を狙い、午前10時前後の発電所放流での増水や禁漁区に注意。河口域ではアカメやシーバス、ウナギ、アマゴも狙えます。遊漁証(日券3、000円・年券6、000円)携帯とライフジャケット着用を忘れずに。
野根川
高知県安芸郡東洋町などを流れる野根川は、清らかな流れと豊かな自然が魅力の河川です。「渓流の女王」アマゴが棲むことで知られ、春から初夏にかけてはルアーや餌釣りで狙えます。特に稚アユの遡上が始まる5月中旬からアユ解禁前の期間は、尺クラスのアマゴも期待できます。また、良質な川苔を食むアユでも有名で、6月1日から10月15日まで友釣りや餌釣りが楽しめます。品評会で最高賞を受賞するほどのアユは、その香りの良さで釣り人を魅了します。日券3、000円、年券8、000円で、遊漁券は野根川漁業協同組合より購入可能です。アユ釣り体験ツアーもあり、家族連れでも楽しめる人気の釣り場です。












