投げ釣りの基本

投げ釣りとは

投げ釣りとは重いオモリを使用して仕掛けを遠くに飛ばすことに重点を置いたエサ釣りの一釣法です。
釣れる魚の種類も多く、様々な釣り場から行うことができるので比較的メジャーな釣り方となっており、近年ではチョイ投げと呼ばれるルアーロッドなどを使用したライトな投げ釣りも人気です。
ここではオーソドックスな投げ釣りについて基本的なことを解説していきたいと思います。

  1. 釣れる魚
  2. 投げ釣りに使える竿
  3. 使用するライン
  4. リール
  5. 仕掛け
  6. 釣り方

カレイの投げ釣り、→大物投げ釣り

投げ釣りで釣れる魚

投げ釣りで釣れる魚

投げ釣りで釣れる魚


シロギス、マコガレイ、マガレイ、イシガレイ、ナメタガレイ、カサゴ、アイナメ、イシモチ、ハゼ、クロダイ(チヌ)、マダイ、コロダイ、ハマフエフキ(タマン)、スズキ(シーバス)、メゴチ、アナゴ、イシダイ、キジハタ (アコウ)、タコ、ホウボウなど投げ釣りでは実に様々な魚が狙えますが、代表的なターゲットは幅広い地域で釣れるキスとカレイといっていいでしょう。

投げ竿

投げ釣りタックル

投げ釣りタックル

軽いオモリを使用するチョイ投げでしたらシーバスロッド、エギングロッド、コンパクトロッドなどを使用しても行うことができますが、本格的な投げ釣りには高い負荷に耐えられる専用ロッドが必要です。
長さは3~4.5メートルぐらいまであり(標準的な長さは4メートル前後)、扱うことのできるオモリの重さがあらかじめ決まっているので、対象魚、釣り場の状況、自分の体格など考慮して選ぶ必要があります。
投げ竿には竿を伸ばし縮めできる振り出しタイプと繋いで使う並継タイプがあります。並継は竿を収納する必要がないためため細く造ることができるので感度が良く、また継ぎ目が少なくすむのでハリがありパワフルだといわれており、ガイドが固定さているので糸がらみなどのトラブルがおきにくいのもメリットです。ですが持ち運びにやや不便ですし、値段も高いですので初心者の内は振り出しタイプでも十分だと思います。→おすすめの投げ竿

ライン

投げ釣りで使われるラインにはPE素材のものとナイロン素材のものがあります。
PEラインはナイロンよりも強度が高いためより細い号数を使用することが可能であり、仕掛けを投げる際に糸にかかる空気的抵抗を減らすことができるので、遠投に非常に有利です。また伸びが少なく感度が高いため小さい魚のアタリでも感じ取ることができ、キス釣りではPEラインを使う人がほとんどとなっています。
一方ナイロンラインは、よく伸びるのでアタリを弾きにくく根にも強いので大物投げ釣りでよく使用されます。
投げ釣りではキャストの際にかなり強い負荷がかかるのでどちらのラインを使用する場合でも先端に10メートル程力と呼ばれる一回り太ラインを結ぶ必要があります。

リール

投げ釣り用のリールの特徴

投げ釣り用リール


本格的な投げ釣りでは専用の大型スピニングリールを使用するのが一般的です。投げ釣り用のリールはスプール径が大きく溝が浅いのが特徴で、こうすることでライン放出時の抵抗はできるだけ減らして遠投に有利なようになっています。
投げ釣りで使うラインの号数はキスやカレイですとナイロンで2~5号、PEで0.8~2号といったところで、自分が使いたいラインが200mほど巻けるものを選びます。
投げ釣りリールにはドラグが付いていないものもあります。キス釣りに使うなら問題ありませんが大物投げ釣りにも使いたい場合はドラグ付きのものを選びましょう。→おすすめの投げ釣り用リール

仕掛け

投げ釣り用仕掛けの種類

仕掛けの種類


仕掛けには大別してテンビンを使用する吹き流しタイプと仕掛けの下にオモリを着ける胴付きタイプがあります。
少なく私の住んでいる関東では吹き流し式の方が圧倒的によく使われているような気がしますが、イシモチなど特定の魚種を狙う場合や根掛かりの多い釣り場では胴付き仕掛けも使用されます。
仕掛けの太さやハリの大きさは狙う魚種に全く変わり、ハリの本数もキス狙いでは5本以上とすることも多いですが、マダイ等の大物狙いでは一本針が普通です。

天秤とオモリ

投げ釣り用のテンビンとオモリ

投げ釣り用のテンビンとオモリ

テンビンにも様々な種類がありますが特徴としては以下のような感じとなっています。

  • L字型固定式→最も標準的な形。飛距離が出やすくアタリが分かりやすい。キスなどあまり大きくないターゲットを狙うときに使われる。
  • L字形誘導式→仕掛けと道糸が直結されており、違和感なく喰わせることができる。大物釣りによく使われる。
    ジェット天秤→浮き上がりがいいので根掛かりの多い場所で有利
  • スパイク天秤→流されにくい形をしており、潮の速い場所でよく使われる
  • オモリ分離式→自分でナス型オモリ、小田原オモリなどを装着して使う。頻繁にオモリの重さを変えたい時に便利

釣り方

エサ

投げ釣りに使われるエサ

投げ釣りに使われるエサ


アオイソメ、ジャリメ、イワイソメ(マムシ)、アオコガネ、東京スナメ(チロリ)、ユムシ、本コウジ、エラコ、サナギ、ボケ、カメジャコ、サンマの切り身、サバの切り身、イカなど投げ釣りでは狙う魚に応じて様々なエサが使われます。
特にアオイソメなどの虫エサ系は幅広いターゲットに有効で、値段も安く手に入りやすいことであり最もよく使われるエサとなっています。

フィールド

投げ釣りといえばまず海岸がイメージされます。
確かに広い海岸は投げ釣りに最もてきした釣り場といえますが、投げ釣りは河口、漁港の堤防、岸壁、磯など他にも様々なフィールドで行うことが可能です。
要は海底に障害物がそれほど多くなく(磯でも海底が砂地主体なら問題なし)、釣りたい魚がいるところならどこでもオーケーです。
ただし、投げる際には十分なスペースを確保し、周囲をよく確認しするようにしましょう(電線には特に注意)。

投げ方

投げ釣りの投げ方 スリークォーター

スリークォータースロー


ここでは代表的な投げ方であるスリークォータースローを紹介します。

  1. ベイルを起こして人差し指に糸を掛け、右手でリールの根元、左手で差尻を握る
  2. 左手が顔の位置にくる高さまで腕を上げる(リールが下を向かないよう注意)
  3. 左足を前に出して脇を締めたら、重心を左足に移しながらロッドを振っていく
  4. オモリが頭上を越えたあたりで糸を離し、斜め45度でロッドを止める
  5. オモリが着底したらベイルを戻しリールを巻いて糸ふけをとる

特にPEラインを使用している場合指が切れてしまう可能性があるのでキャストの際はそれ用の指サックを使用することをおすすめします。

待ち釣り

投げ釣りの釣り方 待ち釣り

待ち釣り


投げ釣りには主に待ち釣りと呼ばれるスタイルと引き釣りと呼ばれるスタイルがあります。
待ち釣りは仕掛けを投入して糸ふけをとったら少し動かしてみてカケアガリ、ヨブ、根などでテンビンを止めてそのまま放置しておく釣り方です。
カレイやマダイなどの大物は狙う場合や根の多い釣り場ではこの釣り方が一般的となっています。
この場合竿を数本出すことも可能となり、竿を立て掛けておくための竿立て、竿掛けがあると便利です。

引き釣り

投げ釣りの釣り方 引き釣り

引き釣り


引き釣りは夏から秋の活性の高い時期のキスを狙う際によく使われる釣り方で、仕掛けを投入して糸ふけをとったら、ロッドをなるべく海面近くまで下げてゆっくりリトリーブして仕掛けをサビいていき、時折止めたりしながらアタリを待ちます。
竿を常に握っているのでアタリがわかりやすく数釣りに適した釣法といえるでしょう。