紀州釣りとは
黒鯛の釣り方といえばコマセを使ったウキ釣りが有名ですが、コマセの代わりに付けエサをダンゴで包み投入するのが紀州釣りです。
ダンゴはしばらくすると割れ、中から出てきた付けエサをチヌに喰わせようという算段です。フカセ釣りでは付けエサとコマセの同調が難しいですが、紀州釣りでは付けエサとダンゴは一体なので自然に同調させることができます。
またダンゴが割れるまでには時間があるので、エサトリの攻撃にあってもしばらくは持ちこたえ、その間に黒鯛を寄せることができます。そのため水温が高く、エサ取りの多い夏場に盛んな釣法です。
その歴史は古く、江戸時代に紀州藩(現在の和歌山県と三重県南部)の藩士達によって作り上げられたものだとされています現在では発祥地の和歌山県はもちろんのことほぼ日本全国で行われており、関東ではダンゴ釣り、瀬戸内ではバクダン釣り、九州ではウキダゴ釣りと呼ばれています
竿(ロッド)
主に長さ4.5~5.3mで1~1.5号の磯竿が使われます。
フカセ釣りで使う一般的な磯竿で大丈夫ですが、アウトガイド式のものだとダンゴの投入時にガイドに糸が絡み、最悪折れてしまうことがあるので、慣れないうちはインナーガイド式のものだと安心です。
メーカー | モデル名 | 自重 | カーボン | 先径/元径 | 参考価格 |
シマノ | ホリデー磯R 1.5-530 | 205 | 89.7% | 1.2/21.7 | 9,800 |
ダイワ | リバティクラブ 磯風 1.5号-53・K | 215 | 90% | 1.1/20.2 | オープン |
シマノ | 鱗海 SI 1-520 | 185 | 99.7% | 1.8/24.2 | 36,000 |
ダイワ | プレッサドライ 1号-53・F | 205 | 98% | 1.85/20.1 | 22,900 |
リール
中、小型のスピニングリールを使います。
レバーブレーキ式のものがよく使われますが、普通のものでも大丈夫です。
メーカー | モデル名 | 自重 | 巻取り | ギア比 | 最大ドラグ | 参考価格 |
ダイワ | レブロス2500 | 250 | 72 | 4.8 | 4 | 8,600 |
シマノ | アルテグラ 2500 | 240 | 73 | 5.0 | 9 | 16,300 |
シマノ | BB-X ラリッサ2500D | 280 | 75 | 5.0 | 8 | 26,300 |
ダイワ | トライソ 2500LBD | 330 | 79 | 5.3 | 6 | 22,000 |
ダイワ | TM ISO 2500SH-LBD | 230 | 100 | 6.8 | 6 | 85,000 |
仕掛け
ミチイトはナイロンラインの2号前後、ハリスはフロロカーボン1.5号を使います。
ウキは自立式棒ウキまたは環付きの玉ウキがよく使用されます。ダンゴの投入を邪魔しないよう、軽めののものがおすすめです。
後はほぼウキフカセとほぼ同じですが、ハリスは少し短めにしておくとよいでしょう。
ダンゴ
ダンゴは米ぬかに砂、サナギミンチ、アミエビなどを加えて作ります。
調度いい硬さのダンゴを作るのは難しく、やりこんでいる人は様々な素材を配合して工夫しているようです。
各メーカーから水を加えるだけでダンゴを作れる配合餌が発売されているのでとりあえずはこれを使うのがいいでしょう。
釣り方
まず釣りを始める前にコマセがわりに団子を3、4個投げ入れてポイントを作っておくと良いでしょう。
あとは、おにぎりを握るような要領で付けエサをダンゴで包み手またはヒシャクでポイントに投入します。
ウキ下はダンゴが割れたときに付けエサが浮き上がるようにしておく場合と、ベタ底で這わせておく場合があります。
アタリはダンゴの割れた直後にくることが多いのですがが、反応が無ければしばらく流してからてから回収し再度ダンゴを作り投入します。
寄せて釣る釣りなので同じポイントでじっくり粘るのが基本的な戦略となります。