弓角でサーフトローリング

弓角、サフトロとは?

弓角は和製のルアーの一種で、プラスティック(元々は動物の骨や貝など)のボディーに針が付いただけの非常にシンプルな構造をしています。
陸っぱりでは主にイナダ(ハマチ)、カンパチ、ソウダガツオ、サバなどの中型青物を狙うために使われますが、陸から使う弓角はは5cm~7cm程度と小さく重さも軽いためそのままで投げても青物のいるポイントまで届きません。そこでジェット天秤などの錘の先に弓角をつけてキャストすることになります。
船釣りでルアーを船で引っ張ってカジキマグロなどを釣るトローリングという釣法がありますが、ジェット天秤を船に見立ててこれをサーフトローリングといいます。

サーフトローリングに適した竿

サーフトローリングのタックル

サーフトローリングのタックル


特に海岸から投げる場合は遠投が必要になりますので基本的には4m前後の投げ竿を使用します。
投げ竿に比べるとやや飛距離は落ちますが4、5号の磯竿を使うのもありです。磯竿は投げ竿ほど力を使わずに投げることができるので、疲れにくいというメリットがあります。
堤防からの釣りなどでそれほど飛距離が必要ない時は、ショアジギング用やシーバス用のルアーロッドを使うのもありです。

メーカー モデル名 自重 カーボン 先径/元径 参考価格
シマノ サーフリーダー425EXT 420 99.7% 2.5/22.9 27,000
ダイワ キャスティズム385-30 370 99% 2.5/22.0 39,900
ダイワ リバティクラブ420-30 480 28% 2.7/24.1 オープン
エイテック トップファイター磯5-530PTS 389 2/27.4 オープン

リール

遠投して早巻きする釣りなのでスプール径の大きなものが有利です。
ラインはナイロンなら5~6号、PEなら1.5~2号ぐらいを使います。これが150m以上巻けるスピニングリールがいいでしょう。
大物がかかる可能性もあるのでドラグ付きのものを使うのがよいと思います(投げ釣り専用リールにはドラグなしのものが多いので注意)。

メーカー モデル名 自重 巻取り ギア比 ドラグ 参考価格
ダイワ クロスキャスト4500 645 82 4.1 15 オープン
シマノ ブルズアイ5050 445 84 4.3 12 27,000
シマノ パワーエアロ 600 80 3.5 19 31,000
ダイワ ウインドキャスト4500 625 78 3.9 15 13,700

仕掛け

弓角仕掛け

弓角仕掛け


仕掛けは極めてシンプルで道糸をテンビンに結び、もう片側にハリスを結ぶだけで完成です。
弓角には糸を通す穴が開いているので、ここに糸を通し八の字結びなどでコブを作りスッポ抜けないようにします。不安な場合は二重にしておくとよいでしょう。

弓角の色

弓角の色には赤、ピンク、白、青、黒からラメがかったものまで様々です。濁っている時はこれだとか、イナダにはこれだとか言いますが個人的にはあまり違いを感じたことがありません…。
周りが釣れているのに自分だけ釣れない時は周りの人の色を参考にしてみて下さい。

ジェット天秤かマウスか?

サーフトローリングでは錘にジェット天秤や専用の遠投マウスがよく使われます。
海草テンビンでなくジェット天秤が使われるのは浮き上がりがよく表層を引くのに適しているからです。
遠投マウスにはフローティングタイプとシンキングタイプがあります。フローティングタイプは投げたらすぐに巻き始められるので有利ですが、あまり飛ばないので個人的には嫌いです(笑)。

釣り方

釣り方は実にシンプルで青物狙いの場合、基本的にただ巻きで表層付近を引いてくるだけです。
しかし水面付近に仕掛けを持ってくるにはかなり高速で巻く必要があります。
基本的に投げ竿に25号以上の錘を使うので夏の炎天下の中これを繰り返すとかなり疲れます。なかなかハードな釣りなのです…。

メタルジグ等と比べてどうか?

弓角で釣れる魚はイナダ、ヒラマサ、サワラ、シイラ、カンパチ、メジマグロなどの回遊魚系を中心にタチウオ、シーバス、マゴチ、ヒラメまで多彩です。ルアーに喰ってくる魚ならどれも釣れる可能性ありです。
回遊魚狙いの場合、他にはカゴ釣りやショアジギングが代表的な釣り方ですが、これらと比較して弓角を使うメリットはあるのでしょうか?
まずメタルジグと比べると弓角は陸から釣れる中型の青物が実際に食べているベイトのサイズに近いという利点があります。更に重い錘を使い投げ竿で投げるのでショアジギよりも広い範囲を攻めることが可能となります。
カゴ釣りに対して有利な点は、活性の高い時には動きで魚を引き付けられる弓角の方が食いがいいのと、仕掛けがシンプルで移動が楽ということが挙げられます。